さあ出発だ。
前日に確認していたNational Expressのバスで一路向かうはBristol。
おっと、その前に日本から予約していたのを発券してもらう
必要があるのよね。
往復チケットを購入したのだけれど、帰りはどの時間のバスに
乗ってきてもよいオープンチケットにできるわ、それでいいわね、と
窓口のおばちゃんに言われる。
あれー?
日本から予約したのは時刻指定してあったと思ったけど
Open Returnでいいの? いいの?
「うーん」
そうね、可能であれば
それでいいよね、寝坊しちゃったときでも時刻指定無しなら
なんとかできそうだしね、よしよし。ウシシ。
ラッキー!と妻と一緒に浮かれ踊るわたくし。
(しかし、これが落とし穴になろうとは、
このときは思いもよらなかったのであった。うーむ。)
そして乗り込んだNational Expressの座席は狭かっただ。
つるんと滑るシートで座り心地が悪い。
皆さん、よく我慢できるますね、これ。
日本人の僕ですら「狭いなあ」と感じるくらいなのに。
僕より体格が良い英國人も多いだろうに。

バスの車窓から外をパチリと撮影。
あー、広いなあ。
道路沿いには農場などが広がるだけだったせいか、空が高く見えたよ。
このときは晴れていたんだ。
Xperia arcで撮影したんだけれど、それなりに英國の晴れた日の空というものが
伝われば嬉しい。

成田空港のJAL ABCでレンタルしてきたWi-fi端末。
「現地で電源入れれば、あとは繋がりまくりっすよ!」という触れ込みであったのに、
英國に入国してのち端末の表示はDisconnectedのままだった。
いったいどうなってんのッ。
バスの車内ではスマホを弄くりまくりの英國人なおっさん連中がチラホラ。
あれー?
電波受信しているっぽいんだけど。ていうことはバスの中とはいえ、電波届いてるよねえ?
キャリアが違うから僕のレンタル品だけがインターネット接続できていないのかしら。
いやいや、そんなことはないだろう。
だってwi-fi端末には3Gの電波が届いているって表示があるんだもん。
ワケワカラン。
英國でもモバっちとしてwi-fiでスマホを弄りまくりの予定だったのにさー。
ちえー。なんで繋がらないだよう、ぶうぶう。
そういえば、日本出国前にXperia arcの日付時刻設定を
グリニッジ標準時に合わせてきたけれど
別に案ずる必要はなく、英國に入り携帯電話の電源をオンにした段階で
勝手に時刻を現地時間に合わせてくれていたっぽい気がする。

Sony DSC-N2で撮影。
雲間から光が。
晴れているなあ、空のブルーが綺麗だとぼんやり思う。

インターネットに繋がらないwi-fi端末やスマホを弄ってばかりいても
致し方ないので、デジカメで車窓をぱちぱちと撮影する。

ああ、日本では見かけないような車が通り過ぎていくねえ。
そのなかの一台。

広がる緑と黄色。
黄色は菜の花なのかしら。

ほんとうにこんな風景ばかりが延々と二時間弱続いた。
しまいには飽きてデジカメを仕舞いこんだ。
ただ、流れる車窓はずっと見ていた。
たまに農家がぽつんぽつんとあるのが面白かった。
建物の作りが日本のものとは違うからね。
ごく一般的な農家の家屋なのに、その造作が面白かったのです。
そうこうするうちに、バスはブリストルへ。
Bristol Bus Stationに到着してびっくり。
話には聞いていたけれど公共の場所ではトイレが有料なのねえ。
(いや、全部が全部有料というわけではないけれど。)
20ペンス支払って、ディズニーランドのゲートっぽいところを
通過してバスステーション内のトイレに行きました。
ふう。
にわかトイレ研究家(?)としては公衆トイレの外観画像を
撮影してくるべきだったか。くううッ。痛恨の極み。
(いやいや、そんなことはないけれど。)
20ペンスを支払わないとトイレへのゲートを通過できないんだけど
小さな子を二人連れた女の子がゲートの下をしゃがんで潜って
トイレに入っていったよ。
あわわわ。
なんていうか、どうとでも回避できてしまうのね、
この支払いシステム。
後日利用したときにはトイレの清掃中で、なぜかトイレ清掃中は
支払いシステムがオフになっていたし。けっこういい加減で苦笑してしまいました。
バスの乗務員が荷物を次々に下ろすんだけど、超適当に地面へ放り投げるようにして
旅行かばんをバスの座席下の荷物入れから取り出すのでびっくり。
それに対して周囲の客は何も言わない……。
お国柄だよなあ。
そんな具合に放り出していたら、日本じゃクレームの嵐だろうに。

Bristol Bus Stationで復路の発車時刻を調べてから市内へ出る。
よしよし。
大荷物を抱えたまま、市内をうろちょろ。
目指すはバス停。

Bus Station近くのSt.James Prioryそばを通り抜ける。
あまり治安はよくない場所と聞いたけれど、そうでもない?
日中のためかしら。
市内の歩道は石畳で瀟洒な雰囲気なのに、タバコの吸殻が沢山ポイ捨てされていて
ちょっとげんなり。
タバコの投げ捨てが多いあたり、昔むかしの日本(とは言っても昭和の時代)みたいだ。
せっかくの景観が勿体無いね。
St.James Prioryの近くで突然日本語が聞こえてくる。
え、と思わず後ろを見ると腕を組んだ年若い日本人カップルが。
バッグもキャリーも持たず腕組みして歩いて行くところをみると留学生かな。
ブリストルで日本人に遭遇する確率は低いだろうと思っていたので驚く。
へえ。
日本人はどこにでもいるな。
ぐぐってみるとブリストルに住んでいた人のblogがHITしたり、
mixiでもbristolのコミュニティがあることは知っていたから
ある一定数は日本人が居ると思っていたけれど、Bus Stationを出ていきなり遭遇するとは
思わなかったよ。BathやStratford-upon-Avonほど有名な観光地なら
日本人がわんさか押し寄せていそうなものだけれど。へえ。
(じゃ、自分たちは?と問われるとぐうの音も出ませんが。ええ。)
Bond Streetの停車場だったと思うけれど、荷物を抱えたまま600mほど歩く。
バスに乗り込み、終日使えるバスチケットを運転手から購入。
ひとり£4だって。
次の停留所がどこになるかってバスの中で表示されるかアナウンスが
流れるかと思って注意していたのに特に無かったような気がする……。
こちらが気づかなかっただけかしら。

バスに乗り込むとき、
「クリフトンブリッジを見に行きたいんです」とバス運転手に伝えて
いたのもあってか、Clifton, Christ Church近くのバス停でバスは停車し、
近くに座っていた白髪のマダムから
「ここからクリフトン橋は近いわよ!」と声をかけてもらう。
おお。
見るからに観光客っぽい大荷物を持ってわくわくしながら乗り込んでいたからか、
さきほどの運転手との掛け合いを耳にしていたからか、
声をかけてもらえたよ。
いいね、英國!
マダム、ありがとう!
そそくさと下車。
下車したところで晴れていた空が急に曇り、突然の雨が。
一日の中で晴れたり曇ったり、雨が降ったり……。
英國ではコロコロと天気が変わる。
さすが一日のなかに四季があると言われる国だな。
リュックサックにレインカバーをかけたり、傘を準備したりしていると
また晴れてくるし……。
んもう!

あ、下車したときにおじいちゃんがニコニコしながら話しかけてきて
ドコ行くの、と尋ねられたので「クリフトンブリッジへ!」と言うと
「おう、それなら橋がよく見える絶好のポイントがあるから
教えちゃる。
ちょっとそっちへ歩いてくと丘にあがる坂道があるから、まずは
そこから観てごらん」
と教えられる。
いいね、英國!
ありがとう、おじいちゃん!

なんか、ワンコがこっちを見ているわい。

教えられた丘まではなだらかな草地が広がる。

その草地とは逆方面を見ると市街地が。ちょっと下りの坂道。
ブリストルは坂の街だねえ。
道のそこかしこに駐車している車がやたらと多い。
市内のどこに行ってもこんな調子で道路の両脇に車が停められていた。
市内はビルディングが連なっている場所はほぼ無いためか、
市内のどこに居ても空が高く見える。
道は少しずつ傾斜してゆき、右手に丘が見えてきた。

坂道を登る。
お。
結構高いね?
高いよね。

その昔は天文台だったという場所まで出たよ。
おお、風が強いね。
ベンチがあって、そこで座りながらBus Stationの売店で購入したパンをぱくぱく。
うまうま。
一緒に購入したお水はstill。
思えばstillばかりを購入していた気がする。
天文台には洞窟があったらしいんだけれど、このときは気づかず。
気づいたのは後日インターネットでClifton Observatoryを検索してからのこと。
ああ! せっかっくだから見てくればよかったよう。
洞窟大好きッコなのに。
でもそのときには疲れていたから、洞窟があることを知っていたとしても、
洞窟を見に行く元気は無かったように思うのよねえ。

で、Clifton Suspension Bridge近くの小高い丘からClifton Suspension Bridgeを見やる。

空と橋の対比が美しい。Sony DSC-N2にて。

崖。
けっこう高くて怖いです。
Clifton Suspension Bridge
http://maps.google.com/maps?hl=en&rlz=1G1GGLQ_JAJP366&q=Bristol+Suspension+Bridge&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wl http://en.wikipedia.org/wiki/Clifton_Suspension_Bridgeブルネルによってデザインされた橋でエイボン川に架かる。
完成したのが1864年のことだというから驚く。
このエイボン川を遡ればジェーン・オースティンが暮らした街・Bathもあれば
シェイクスピア生誕の地・Stratford-upon-Avonもある。

SIGMA DP2xでパチパチと撮影。
英國旅行前に突如思い立ち購入したデジカメなので操作方法にまだ慣れておらず、
焦る、焦る。
でも、それなりに焦点が合った撮影ができたかしら。
実際に目にするまでは、
「古い橋といってもどれほどのものだろう」
と思っていたけれど、間近で見ると感嘆するほかないね。
よくぞまあ昔にこれだけの橋を架けたものだ。
市内の美術館に橋建設当時のランドスケープを描いたイラストレーションが
展示されているのだけれど、昔はこの上を馬車が通っていたみたい。
いまは橋上を二車線の道路と歩道が走っているよ。

川の水量は少なめだった。
水量豊かなときならば、また眺めもよかったかもしれない。
小高い丘からClifton Suspension Bridgeを見ると、手前の崖が急峻であることが判る。
滑り落ちたら大変だ。

橋のクリフトン側を見やる。
DP2xでイングランドの空をうまい具合に撮影してみたかったのだけれど、
果たせなかったかんじ。
なだらかな丘が遠くに見えるね。

さて、お腹も満たされたことだし、橋に近づいてみよう。
Sony DSC-N2とKodak PlaySportを織り交ぜながら撮影しただんべえ。

観光客も多いみたい。ただ橋の上を通過するだけでも面白いみたい。
事実、僕たちもそうだったしな。
道路は4車線あったのが橋の手前で狭められ、2車線になっている。

料金所めいた場所があったので通行料が取られるかと思い、係員に尋ねたら
「要らないよ」だって。

橋に近づいてまいりました。
これはSony DSC-N2で撮影。
今となっては古いデジカメですが、それでもサッと取り出して
パチリと写せる、よい相棒です。発売当時、望んで得たコンデジです。
おや。
それまで晴れていたのに、だんだん怪しい雲行きになって来たよ……。
えええ。
と思っている間に、雨が。
ほんの一瞬前までは晴れていたのにだよ。
どうなってンの英國!
これが英國か!
わかっちゃいたけれどこの天気には驚かされる。
まぁ、これはこれで英國というものを理解するのに必要なのだな、たぶん……。
雨に祟られながら橋を渡るうちに、また晴れてきたよ。
それにしても橋上を渡る風のなんと強いことか。
ちょっとだけ橋の下を覗いてみようか。
どれどれ。
おおお、びゅおお、びゅおおと風が吹き渡っているよ。
怖い、怖い。なんて高さだ。
あわわわわ。


先ほどまで居た天文台がある小高い丘を、橋上から見やる。
急な崖であることがおわかりいただけるであろうか。

橋の袂の掲示板。
Plant-lover's paradiseとあるものの、一方では自殺の名所にもなっているようです。

なにせこの高さですからね……。
自殺を思いとどまらせるためのパネルが橋に掲示してありました。
その前に、ここに電話して、って。

小太りのおじいちゃんから激写されているように思うワタクシ。
日本人観光客が珍しかったのであらうか。
橋を行って、戻ってきたよ。

戻ってくるころには晴天に。
ほんとうに移り気な天気であることよ。

おお、ブルネルのパネルがこんなところに。
橋の袂にあった公衆トイレは良いトイレ。
なにせ無料で使えましたからね!

橋にいたる道の崖、その上に咲いていた赤い花をパチリ。

橋のそばの道を二人三脚でえっほえっほと走っていくおじさんたち。
三人とも、口髭を生やしていて微笑ましい。
楽しそう。
お口の周りを四角く囲うような口髭ね。
この近くには動物園もあったけれど、疲れたのであとはもう一路ホテルへ。
ふう。


バス停でバスを待っていたら、現地に遊びに来たっぽい若者たちに話しかけられていたみたい。
次のバスはいつ?って。
声かけられてるとは思わなかったよ。
僕のほうを見ていなかったろう? ていうか、視線も合っていなかったろう。
え、と思ってその男の子の顔を見たら、
「あ、ごめんね(言葉通じないのね)」って、君、そんな。
時刻くらいならつい今しがた確かめたばかりだから教えてあげられたよ。ムキー!
いえ、ヒアリング能力の無さがいけないんですね、ええ。

バスを降り、市内を歩いてホテルまで。
予定ではJAL ABCでレンタルしたwi-fiでXperia arcを弄りながら
Google Mapでホテルまで辿り着くはずが、この時点でもwi-fiが繋がらないままな
ものだから、妻がプリントアウトしていたホテルまでの簡易地図と
現地で掲示されていた案内表示を頼りに市内をうろちょろ。
おお、よくぞプリントアウトしておいてくれたね、偉いよ!
ありがとう、ありがとう。
妻に感謝ですよ。

そしてなんとかホテルへ辿り着いたよ。
ホテルに荷物を置いたあと、またバスで出かけてもよいかもしれないと
考えて£4する一日乗車券を買ったのに、ホテルに到着した段階で
疲れて動けず。もう出かけなくていいよね……ということに。
でも、まぁ、タクシーを使うよりはお得だった気もするし、いいか。

ホテルに到着して市内観光名所の冊子を読んでいたら
Clifton Suspension Bridgeが。
ライトアップもしているのかー。すげー。