2013年12月31日

ロイス・マクマスター・ビジョルド『影の王国』

影の王国

ロイス・マクマスター・ビジョルド :著
鍛治 靖子:訳




ビジョルドは、息子と父親との関係を描くことを
好もしいと思っているのだろうか。
ビジョルド作品で「息子と父」と言えば『ヴォルコシガン・サガ』が有名。
本作はそれほど色濃く息子と父親との関係を全面に打ち出しては
いないものの、主人公の精神の成り立ちを考えるとき、父親との関係を重要視すべきだろう。

前二作の『五神教シリーズ』とは異なる世界で展開される本作。
読み進めるうちに、どうしても表紙絵の主人公男女二人の絵が
本文から受け取るイメージと異なるので参ってしまった。
そこで、表紙絵を無視して読み進めた。

おかげで、ぼくの頭のなかでは、主人公は『五神教シリーズ』第一作の
カザリルの姿で活躍した。
(すみません、すみません。)

「ビジョルドの訳者」と言えば『ヴォルコシガン・サガ』シリーズを翻訳されている
小木曾さんが有名だし、好もしく思っているが、『五神教シリーズ』を訳しておられる
鍛冶さん(梶元さん)の訳もまた大変好もしいと思っている。

ビジョルド作品にはじめて触れたのは、ビジョルド初のファンタジー作品である
『スピリット・リング』。
そこからSF作品である『ヴォルコシガン・サガ』を読み、ファンタジー作品
である『五神教シリーズ』を手にした。

ビジョルドはキャラクター造形も見事であれば世界観の形成も上手。
ストーリーの構成も巧み。そのすべてが好もしい。


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posted by よねっち at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む。
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