2012年03月24日

『玲瓏館健在なりや』冨明仁

ぼくは、クセのある絵柄を好むようだ。
クセのあるという言い方は適切ではないね。
特徴的な、他に類を見ない、ただひとつだけの絵柄。作風。
その作家の代わりになれる人など誰もいないのだと、
作品を手にするにつけ思うほどの絵。そして作家。
その絵を、作品を、慕わしく思う。
一読したとき作品に恋したと言い切ってもよいほどに
好もしく思う。
(それに比して、「描き手は異なるはずなのに
その差異も判然としないような、昨今流行の無個性な作風や
作品群」はあまり好みではない。)

いままで知らなかった、自分で好もしいと思える作家を
新たに知ることは良いことだ。
世間にはぼくが知らなかっただけで、まだこんなにも
素晴らしいひとたちがいるのかと驚嘆する。


そして今またひとりの描き手を知ることができた。
たまたま目にした絵柄と作品のタイトルに惹かれた。
一読して、惚れた。
惚れに惚れた。
なんてワクワクさせてくれるんだろう。
自分がその作品世界で暮らしているような気持ちになれたよ。
その作品が、

『玲瓏館健在なりや』冨明仁:著

だ。なんて素敵な作品だろう。

2012_03_24_17_36_26.jpg
動きのある絵、ストーリー。
きらきらとした一つ一つの輝かしい話が、最後にきれいに
まとまる美しいジグソーパズルのようだ。
登場する人物たち、特に女性がいきいきとしていて可愛らしく感じられる。
(それはぼくが男性であるために異性の登場人物たちをとくに
意識してそう感じているのかもしれないけれど。)

そうだ、いま気づいたのだけれど、
『玲瓏館』という建物は、もしかしたら『本郷館』を意識して描かれたところもあるのだろうか。
長い年月建っていた建物で、人に惜しまれ、
そして今は無い学生たち(を含む人たち)が暮らした建物というところが特にそう
思わせるものがあるように感じるのだけれど、どうだろうか。
ただ、本郷館に限らず時代の趨勢により失われた建物といったものは数多いのだろうね。


本郷館
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E9%83%B7%E9%A4%A8


Volume One,Volume Two,ともに翠さんが表紙で存在感があるのは
作者の好みなのかしら。
外見の好みで言えば、個人的には桃香さんと綾乃さんを挙げたいです。
内面で言えば、もちろん容子さんなんだろうな。いや、マコさんも面白すぎる……。
(綾乃さんの扱いはあれで良いかのかと疑問も残るけれど致し方ないんだろうなあ。)
そして、同性なら葉介くんのコミカルさとちゃっかりさ加減がとても好み。
特に「後日談」で明らかになるネタが。頑張ったのだな、葉介くん。(柑介も笑える男だ。)
そうそう、淡々とした爽也さんが格好良すぎる。くくく。

再読、再々読しても面白いよ。
繰り返し読んで玲瓏館に暮らす学生のような気持ちになれたよ。
作品と作者を知ることができて幸せだ。

漫画や小説、エッセイ、なんでもそうだけれど
たまには自分が知らない作家の作品も読んでみないといけないね。
こうした大当たりがあるからね。

良い作品をじっくりと読めることの幸せ。
良い作家を知り、ぼくの心と人生は豊かになる。






posted by よねっち at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む。
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