4LOST CAUSE 不発作品集
奥瀬サキ
はぁ。
どの時代の奥瀬もいいわあ。
描きたいことがあるのに、描ききれなかった(のだろう)あの時代の
作品もまた良いのです。
先は読めてしまう若さゆえの展開。しかも、読んでいてムズムズするし
そんなことここでぼくが言うまでもなく奥瀬自身もわかっていると思うけれど、
いいんですよ、これがまた。
美少女でもなく、格好良い青年でもなく、ごつごつした顔のオジサンの姿形。
初期・低俗霊狩りと同時代に描かれた人物たちのなかで、
奥瀬が描くオジサンたちの描写が(絵的に)好きだ。今みたいに上手じゃなくてもいいの。
ストーリーよりもビジュアル的に好きだとか言い切って、ああ、すみません……。
ゾンビ魔導師リー君の活躍がもっと読みたいよ、奥瀬。
ああ、リー君の変化にはびっくりだよ。
もう二度と元には戻らないの、リー君?
「僕は右に曲がっているのだ」発言で、ちょっとだけ『右曲がりのダンディー』を
ぼくは思い出したんだよ、リー君。