2011年09月05日

奥瀬サキ・志水アキ『夜刀の神つかい』

2011_09_04_16_16_45.jpg

中学生くらいの頃からずっと奥瀬サキ(奥瀬早紀)の漫画作品を
読んできた。


僕が吸血鬼モノに惹かれるようになったのはいつの頃からだったろう。
映画『ドラキュラ』(1992年)を観に行ってルーシーが墓所で起き上がる
シーンに慄いたのは覚えている。
そしてウィノナ・ライダーの色気にぞくぞくしたものだ。
映画を観終えたあとはブラム・ストーカーの『ドラキュラ』も手にとり、読んだ。

そうそう、そういえばこんなこともあった。
小学校の図書室で放課後にブラド公の物語を読んでいて、いつの間にか
日が暮れかけているのに気づき、夕日が差し込む薄暗い図書室から
逃げるようにして走り出た。
思えばあの頃から吸血鬼というモノに漠然とした恐怖心を抱くように
なったのかもしれない。
だって小学生の頃に観た藤子不二雄の『怪物くん』に出てくるドラキュラは
怖くなかったもの。
(あ。当時、父に『怪物くん』の映画を観に連れて行ってもらったのを
いま思い出したぞ。)

僕は痛いことが嫌いで、血を見ることが怖い。
小説や映画、ドラマなどで他人が血を流すシーンを見るのさえ厭う。
ましてや自分から血が流れでたりして痛い思いをするのは尚のこと嫌だ。
これまでに何度か献血はしたけれど、本音を言えば身体検査で少量の血を抜かれるのさえ嫌だ。
そんな『血を怖がる僕』が、吸血鬼モノを扱った作品には、なぜかいたく心を惹かれる。
各種ヴァンパイア映画から萩尾望都『ポーの一族』、菊地秀行『吸血鬼ハンターD』、e.t.c.。
これは、怖いもの見たさなのか。

さまざまな吸血鬼モノの本を読むなかで、
奥瀬サキ・志水アキの『夜刀の神つかい』も集めた。

奥瀬は、相変わらずだ。
相変わらず、
「中学生でも恥ずかしくて言えないよ」という台詞もすらすらと
登場人物たちに喋らせる。
読んでいるこちらが「きゃー」と恥ずかしくなる台詞でも
きちんと読ませる。
あ、これは褒め言葉ですからね。
僕のなかでは、ほぼ最上級の。


再読したが、初めて読んだときには判らなかった事が判り面白かった反面、
「あれ?あれれれ?」と僕があれこれと余計に考えすぎるようになったせいか
スカッと心地よい読後感とは言えない箇所もあったりでちょっとモヤモヤする〜〜。


それにしても砌様は相変わらず美しいのう。
久米さんは飄々としていて素敵だし、ヒゲの岸さんも格好良い。
(水島はちょっと可愛そうだったな。うむ。)
そしてちっちゃい峅杷様がまたかわゆいのよう。
うーん、奥瀬、読者の心を鷲づかみにするのが上手よな。
え?夕介? うーん、うーん。ま、僕は砌様派ってことで。


吸血鬼モノの小説だと、キングの『呪われた町』が読みやすくて
ドキドキ・わくわく出来て良いですよ。
その際には副読本として小野不由美『屍鬼』をどうぞご一緒に。
(いや、それは読む順番が逆かしら。)

タグ:漫画
posted by よねっち at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/47757536

この記事へのトラックバック