2011年06月19日

花石物語

hanaishi-story.JPG
井上ひさしのことは、遅筆であること、
米原万里の妹が二度目の妻であることくらいしか知らなかった。
知ろうとはしなかった。
一度『吉里吉里人』を読もうかと迷ってやめた経緯がある程度だった。
だが藤沢周平がエッセイの中で『花石物語』を読んで腹を抱えて笑ったと
書いてあったことが気にかかり、読む気をおこしたのだった。

結果、抱腹絶倒。
ああどうして今まで読まず嫌いをしていたのだろう。
井上ひさしも面白いのだねぇ。

Amazon.co.jpで古書として手に入れ読み始めたのが
たしか今年三月のはじめ。
すぐに3/11の地震が発生し、その後は読書どころではない日々が続いた。
通勤電車がなんとか動き始め、会社への行き帰りの読書タイムが
復活したあとも、東北の太平洋側を描く『花石物語』は
手に取って読むには辛く、敢えて手元から遠ざける日々が
続いたのだが、しかし井上ひさしの筆力とは素晴らしいもので
『花石物語』をちらりちらりと横目で見ているうちに
自然と手に取りまた読み始めてしまっていた。

面白かった。
抜群に面白かった。
僕自信が山形出身だから『花石物語』で使われている方言のおかしみが
よりよくわかったのもあったかもしれないが、面白かった。
そうそう、ソフィアについて井上ひさしがこれほどまでに
コンプレックスを抱くのには苦笑してしまった。

あらすじをここに記すことはしないけれど
登場人物たちの強い個性と、彼らが選んだ生き方に強く惹かれたのだ。
あっけらかんと明るくて、それでいてほろ苦くもある。
青臭さに照れてしまう青春の物語。
この青臭さ。
それが良いのですよ。
-----------
すみません、すみません。
使用済みの避妊具をくるくるっと巻いて再利用するシーンに
ヤラレマシタ……。
電車の中で読んでいて笑いをこらえるのに必死になりましたよ、ええ。
こりゃあ藤沢周平が腹を抱えて笑ったのもむべなるかな。


posted by よねっち at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む。
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